1  JUN.1995 Dikanyama Shibuya Tokyo
アサヒカメラのnude特集のために撮りおろした作品だ。
この写真は表紙に使用された。
モデルは藤原美憂。当時僕は彼女を何度も撮っている。
身長は155センチと小柄だけれど、顔が小さく抜群のプロポーションをしている。
そのころ代官山にあった僕の事務所での撮影。
ライティングは東向きに開いた窓からの、午後の柔らかな自然光だけ。
フィルムはベルビア120をプラス2段半増感。LBA2フィルター使用。
増感することによって、粒子は荒れるが、トーンが揃い、
生々しさが消え自然な雰囲気になる。

カメラはマミヤRZ67、レンズは110mm標準。絞り開放で15分の1秒で撮影。
背景は、ブルーの紙バック(セットペーパー)。
Hair&Make MASAYUKI SHIRAKAWA


2  JUN.1995 Roppongi Minato-ku Tokyo

No.2-5までの撮影はすべて、前出のアサヒカメラの口絵のために特写したもの。
この撮影はとても特殊な撮りかたをしている。
それはライティングとして懐中電灯を使用しながら
長時間露光をしているということ。
この撮影方法は1986年に、ナイトフォト(夜の長時間露光撮影)
をしていて、突然思いついた。
僕はカメラのフレーミングの中に入り、対象の至近距離から
ゆっくり動きながらライトを照射する。
この場合露光時間は約10秒。
カメラの画面に入っていても僕は動いているのでフィルムには、
ほとんど写らない。
その間モデルはじっとして動かないので、画像は定着する。
薄明りのした、ゆらゆらとライティングするので、
「TWILIGH TWIST」という洒落た名前をつけた。

リンホフテヒニカ4x5 スーパーアンギュロン65mmf8
使用フィルム、ベルビア +1増感
Hair&Make MASAYUKI SHIRAKAWA
Stylist YUSUKE MIZUNO


以前、全日空「ら九州」のポスターをこの方法で撮影したことがある。
この撮影はとても大がかりで一回30秒〜120秒ぐらいかかっている。
使用カメラ、マミヤRZ67 マミヤセコール110mm
ベルビア
AD KOJI YANAGISAWA
Hair&Make up MIHO DOBASHI



3 JUN.1995 Roppongi Minato-ku Tokyo
撮影場所は六本木の、ある有名なアートディレクターの事務所があるビルの屋上。
No.2,3,4は4x5のデーライトフィルムを使用している。
長時間露光によって空がグリーンがかっている。
ビルの縁にモデルを横たえて撮影していたら、向かいのビルの人達が気がつき
皆、窓に張り付いて眺めていた。下に見えるのは首都高速道路。
撮影方法は、超アナログだが、ちょっとデジタルチックな
作品にしあがった。

リンホフテヒニカ4x5 スーパーアンギュロン65mmf8
使用フィルム、ベルビア +1増感

4 JUN.1995 Roppongi Minato-ku Tokyo
×5(しのごと呼びます、または、フォ.バイ.ファイブ)とは、
フィルムのサイズが4インチ×5インチ
ということ。だいたい葉書ぐらいの大きさのフィルム。
カメラはビューカメラという、
蛇腹のついた旧式な形をしている。
フィルムが大きいので35mmで撮影するよりも克明にそしてどっしりと描写する。
外壁がブルーがかっているのは、
隣のビルのネオンサインに照らしだされているから。

リンホフテヒニカ4x5 スーパーアンギュロン65mmf8
使用フィルム、ベルビア +1増感

5 JUN.1995 Roppongi Minato-ku Tokyo 
この写真はNo.2、3、4とちょっと発色が違う。昼間の太陽光の下で撮る、デイライ
トフィルムではなく、白色電球のような赤い光の時に使用するタングステンフィルム
のせいだ。懐中電灯に照らされた肌色は赤くならず
ノーマルに、青いネオンの反射は水色に、
空の色もデイライトフィルムとは違う。


リンホフテヒニカ4x5 スーパーアンギュロン65mmf8
使用フィルム、フジRTP +2増感