古いCanonプリンター(BJ−S6300)でモノクロプリントを作る方法 by アルザンス

etfriendの、アルザンスさんの、古いCanonのインクジェットプリンターによる、モノクロプリント制作裏技リポートです。

僕は、現在エプソンのPX5500を使用しています、それまではインクジェットでモノクロをプリント

することに満足できていませんでした。銀塩モノクロ好きのアルザンスさんも同感だったのでしょう。

これはCanonBJ-s6300をモノクロプリンターに改造した奮戦記です。


アルザンス プロフィール


1948年12月、赤城山の麓の街に生まれる。

1959年、小5の秋にUFOらしきものを目撃、その直後一家で上京(多分関連はない:笑)

1970年6月、音楽大学在学中、高校の写真部に入った妹からの影響で写真に興味が湧き、

家のキャノンデミにネオパンSSを詰めてガールフレンドや友人たちを撮り始める。

そして見よう見まねで現像やモノクロプリントもやりだす。

以来、ほとんど独りぼっちで写真を続けてきましたが、昨年たまたまmixiに誘われたおかげで、

ALAOさんを初め、徐々に素敵な写真の仲間が増えてきましたので、

やり続けててほんとによかったと思う今日この頃です。

将来の夢は長生き以外に考えられません、もちろん!(ウソです:笑)

今年の後半には写真展をやろうと目論み中です。


1.

5年ほど前からキャノンのBJ-S6300というA3プリンターを使っているのですが、

美しいモノクロプリントがどうしても出来ません。

黒のトーンが赤っぽい、いやな色調になってしまうのです。

用紙をいろいろ変えたりドライバー設定を変えたりしましたが、あまり変わらないのです。

その訳はどうもCMYの3色の染料カラーインクを混ぜて黒を作ってるからじゃないかと気付きました。

文書印刷用には真っ黒な専用顔料ブラック(3e BK)を使うのですが、

なぜかプリンタードライバーの設定で写真プリントには使えないのです。

そこで、ふと、CMYのカラーインクの代わりに全部をブラックインクに替えたらどうなるだろうと思いつきました

(もちろんモノクロプリントしか出来なくなってしまいますが:笑)

実は6e BKというブラックインクが6300用CMYインクタンクと同サイズなのでちゃんとセット出来るのです。

そこで6e BKを3つ購入してプリンターにセットし、さっそくテストを始めました。

プリンターヘッドの掃除をやって、捨てプリントを何度かやると、

以前のカラーインクもすっかりなくなり真っ黒なブラックが印刷されます。

で、結果的には前よりずっといいモノクロプリントができました。

白から黒までのグラデーションもなぜか一応ちゃんときれいに出てます(笑)

じゃあ、これでめでたしめでたしかと言うと、実はまだまだ満足はできませんでした。

エプソンのPX4000や5500などのような、深みのある顔料ブラック独特のトーンにはまだまだ遠いし、

画材用紙のような立体感のある顔料用ペーパーにはきれいにプリント出来ません。

つまり6e BKは顔料ではなく、染料ブラックだからというのがその理由なのでしょうか、どうも深み感に欠けるのです。

で、ならば、次はこの6e BKのタンクに3e BK顔料ブラックインクを詰めたらいいかもしれないと思い付き、

まず詰めてある染料ブラックを抜いてしまい、空のカートリッジにサンワサプライから販売されてる、

キャノン用詰め替えインク3e BKを注入してみました。

でも、ひょっとしてインク詰りを起こすのではないかとちょっと心配しましたが、結果は何の問題もありません。

テストプリントも全く問題なしで、ちゃんと印刷してくれました。

ちなみに、インク詰りは時々起きますが、頻度は染料インクの場合と殆ど変わらないと思いますし、

時々プリンターユーティリティでヘッド掃除をしてあげれば、すぐに直ります。

以上のことから、BJ-S6300はA3顔料モノクロプリンターになるということが分かりました。

そして、これは推測ですが、他のキャノンの4色インクプリンター(BJシリーズ)なら

同様な結果が得られるのではないかと思うのです(もしお試しの際はどうか自己責任でお願いします

2.

では次に、よりきれいなプリントのためのドライバー設定方法などを具体的に述べます。

まず用紙ですが、光沢系は使いません。プリント可能ですが、美しさは断然マット系の紙です。

かなり多種類のマット紙を試したところ、一番リファレンスになるのが、PLUSのマット紙でした。

量販店などにいっぱいあって値段がとても安いし、しかもブラックが素直に黒く濃く印刷されます。

試し刷りなら「きれいなマット紙」、プリント見本として保存するなら「特厚マット紙」がいいと思います。

それからエプソンの「フォトマット紙/顔料専用」はセピアがかった色調になるので、

これもなかなかいい感じですよ。

さて、ぼくは画像レタッチは「フォトショップエレメンツ2」を使っていますので、これに沿って説明します。

まずテストプリント用にリファレンスになるようななるべく諧調の整った写真データを選んで、

モニターでも美しく表示されるようにレタッチしておきます。

もしその写真がカラーならモードを「グレースケール」に変換してから美しいモノクロ色調にレタッチします。

その時に写真と一緒にあると役に立つのがコダックのグレースケール画像で、

真っ白(100%)から真っ黒(0%)までが20段階に一列に並んでます。

これをリファレンス用写真の下などにレイヤーで置いておくと

、プリンターの濃度調整がとてもやり易くなります。

次にフォトショップのファイルメニューから「プリントプレビュー」を開いて、

用紙設定(使用プリンターと用紙のサイズ、印刷方向)を済ませると、印刷レイアウトが表示されます。

その表示画像の下の「その他のオプションを表示」をクリックしてチェックマークを入れ、

カラーマネージメントという項目ではプロファイルを

「一般グレイプロファイル」、マッチング方法は「相対的な色域を維持」、

そして「黒点の補正を使用」にチェックマークを入れます。

さて最後にプリンタードライバーの設定ですが、BJ-S6300ではいろいろ試してみた結果、

下記のような設定で一番きれいなプリントが出来ました。

品位と用紙の種類 品位と用紙の種類:高品位専用紙

印刷設定:写真をきれいに印刷

そしてグレースケール印刷にチェックマークをいれます。

カラーオプション Colorsync

濃度+-0

以上の設定で一度プリントテストしてみます。

注意点として、印刷直後には3e BKインクの乾きが遅いので、

まだ所々濡れていることがありますから手で触れない事。

ぼくはストーブやガスコンロにかざしたり、ドライヤーを当てたりして強制的に乾かしています。

さて、このプリント結果をモニター画像と比較して濃度や色調をチェックします。

何度も試してみた結果では、コダックのグレースケール部分は20段階の諧調で

ちゃんときれいに印刷されているのですが、

なぜかモニター画像と比べるとプリント写真の印象が薄めなんです

もちろんぼくの使っているCRTディスプレイ(ブラウン管方式)も厳密ではありませんが、

ほぼ正しく調整してはいます。

(写真:PLUS特厚マット。A5サイズ、濃度0でプリントしたものをスキャナーで取り込み)

なので、次は濃度だけを+3、+5と変更してプリントしてみたら

ようやくグッと黒が締まって来て、写真の印象も強くなりました。

ただしコダックグレースケールでは19番と20番が潰れて同じ真っ黒になってしまいます。

つまり諧調=レンジが狭くなってしまったのです。

こうなると特に女性の黒髪がダメで、ベッタリと真っ黒になってしまいますし、艶もなくなってしまいます。

これを避けるには、画像データの方でプリント結果に合わせて

少し明るめにレタッチしし直せばいいのですが、多少慣れを要します。

またさらに用紙によって印象が随分変わって来ますので、用紙

を変えるごとに同じ写真を使って最適な濃度を見つけ出さなければならないですね。

そして、やはり写真によってそれぞれ最適な濃度が微妙に違いますので、

満足なプリントが出来るまで諦めずにテストプリントを繰り返します。

(写真:PLUS特厚マット。A5サイズ、濃度+5でプリントしたものをスキャナーで取り込み)

それでも、こうやって作ったキャノンのモノクロプリント、なかなか素敵なのです。

レンジは狭いし解像度も多少低いとは思いますが、

しかしこれはこれでエプソンのモノクロプリントとはまた違った味わいがあると思います。

そしてぼくが一番気に入ってるのは水彩やパステルなどの画材用紙にプリントしたものなんです。

この場合、さらにもう1段階くらいレンジが狭くなってしまうので、

画像データのレンジを圧縮したりの再レタッチを要しますが、

それでもアイボリーやクリームがかった厚手の画材用紙にプリントすると、

写真の立体感や品格が増すように感じます。

(写真:ファブリアーノ画材用紙35x27センチ。濃度+7)

以上、裏技というより、強引な『禁じ手』のような、キャノンプリンターによるモノクロプリントの一席でした。

BY アルザンス

*写真は、友人のK'sPOCKETというバンドの3人組です。

事務所等の所属はしていません。

撮影場所は、青山1丁目にある「エルグレコ」という喫茶店です。